耳に関して

Q お風呂で水が耳に入りました。中耳炎にならないでしょうか?

急性中耳炎は鼻水が多いときに、鼻の奥と中耳をつなぐ管を通って細菌やウィルスが中耳に入り起こる病気です。耳の穴から水や何かが入っても鼓膜で堰き止められますから中耳には入りません。従って中耳炎が起こることはありません。

Q 中耳炎に一度かかると癖になると聞きましたが?

子供さんの中耳炎は、鼻の奥と中耳をつなぐ管(耳管)の機能や形が未発達のため、また細菌やウィルスに対する防御(免疫)が未発達なために起こります。また兄弟の有無や保育環境でも罹りやすさは変わってきます。これらの要因により元々中耳炎に罹りやすい人は何度も罹るし、罹りにくい人はめったに罹らないということです。一度なったから癖になったというより、元々罹りやすい要因が揃っていたと考えたほうが良いでしょう。

Q 鼓膜切開をすると聞こえが悪くなりますか?

鼓膜切開は鼓膜に小さい穴を開けて中耳に溜まっている膿や浸出液を抜いて、空気を入れる小手術です。切開した穴は数日から長くても数週間で塞がり、元通りになります。鼓膜切開をしたから聞こえが悪くなるということは通常はありません。

Q 耳掃除はどのくらいの間隔ですればいいですか?

耳掃除は基本的にはなるべくしないほうが安全と思います。耳掃除をしなかったために、何らかの病気や障害が起こることはまずありません。
耳垢は、外耳道の皮膚が新陳代謝していく流れに乗って、自然と外に押し出されてきます。ですから、耳の穴の一番外まで来るのを待って、そこで取る程度にすべきです。奥のものまで取ろうとすると耳垢塞栓外耳道炎などの原因になります。耳掃除をしたために鼓膜を破ってしまう(外傷性鼓膜穿孔)ことも珍しくはありません。耳の奥はなるべく触らないでください。

Q 耳垢を取ってもらうだけに耳鼻科を受診しても良いですか?

前の質問にあるように耳垢をご家庭で無理して取ることは非常に危険と考えています。基本的に耳垢が見えていても取る必要はないのですが、もし気になるようであれば遠慮なく耳鼻科を受診してください。

Q 中耳炎があるとプール・水泳は禁止でしょうか?

中耳炎の種類と状況次第ですので一律に中耳炎があるから水泳はダメとは言えません。
急性中耳炎であれば鼻汁が多いとか咳や痰などの症状が同時にあることが多いでしょうし、体を休めた方が早く治りやすいので激しい運動を避けるという意味でプールは休んだ方が良いでしょう。
滲出性中耳炎であれば、風邪などひいてなければ特にプールを休む必要はありません。ただし鼓膜切開やチュービングをした後で、鼓膜に穴が開いている状態の時は耳に水が入ると感染を起こすことがありますので、必ず耳栓をしてプールに入ってください。
何れにせよその時の状態次第ですので、最初からプールはダメと決めつけず主治医に良く相談してみて下さい。

Q 家族に補聴器を勧められますが、自分はさほど聴こえに不自由を感じていません。必要でしょうか?

特に耳に病気がなくても誰でも年齢と共に少しずつ難聴がすすんできます。本人よりご家族がコミュニケーションが取りづらいことに不都合を感じることが多いので、本人よりご家族が熱心に補聴器を希望されるということもよくあります。
しかし、補聴器は高価なものですし、有効に使いこなすには本人の使いたいという意思がある程度必要です。本人にあまりその気がなければ折角購入した補聴器がほとんど使用されず死蔵されるということになりかねませんし、実際そのような事例が多く見受けられます。
補聴器は適正なものを本人が意欲をもって使えば、コミュニケーションが取りやすくなり、本人・ご家族とも日常生活をより快適に過ごすための役に立つものです。
よく話し合って、本人が必要性を充分理解し、補聴器使用の意欲があることを確認したうえで購入を考えることが大切と思います。

Q 補聴器を使う事を考えているのですがどのようにして買えば良いでしょうか?

聞こえが悪くて困っているので補聴器を考えているのであれば、まず耳鼻科を受診して下さい。難聴の原因には色々あり、中耳炎など治療すれば治るものもあるからです。耳鼻科では耳の診察と聴力検査をしてどのような補聴器を使ったら良いかをアドバイスして補聴器販売店に情報を伝えます。
補聴器に関する相談・診察ができる医師は補聴器相談医として認定されています。

鼻に関して

Q 花粉症を一度で治す注射はありますか?

花粉症に対する注射として考えられるものは何種類かありますが、一度の注射で一シーズンをということであればステロイドホルモンの注射で体内に長期間残る種類のものと思われます。
ステロイドホルモンはアレルギー反応を抑える強力な薬ですので、効果はありますが、全身的・局所的な副作用のリスクを考えると、通常勧められる治療ではありません。当院では行っていません。

Q 花粉症を治す手術はありますか?

花粉症・アレルギー性鼻炎に対して効果のある手術は何種類かありますが、何れも根本的にアレルギーを治す治療ではありませんので、症状が全く出なくなるわけではありません。
当院ではアルゴンプラズマによる下甲介粘膜焼灼手術を行っています。鼻腔の一部の粘膜を焼くことで、粘膜が腫れにくくなり主に鼻づまりに対して効果があります。またくしゃみ・鼻汁に対しても、薬を減らす効果は期待できます。レーザー手術もそうですが花粉症に対しての手術は症状が出現してからはできません。花粉飛散の時期から1~2カ月は事前に行う必要があります。
来シーズンに備えて手術を考えておられる方は、なるべく年内には相談してください。

のどに関して

Q 扁桃腺が大きいのですが手術する必要があるでしょうか?

扁桃腺は単に大きいだけであれば手術する必要はありません。何度も扁桃炎を繰り返して高熱が出る時やイビキが大きくて睡眠時に呼吸が苦しそうな状態が続く時には摘出手術を考えます。子供さんの扁桃腺の大きさは3歳から5歳がピークでその後はだんだん萎縮してきますから、大きいだけで特に症状がなければ、気にしなくて良いでしょう。

Q におい玉とは何でしょう?治療する必要があるのでしょうか?

におい玉とは、口から出る白い臭い匂いのする塊のことを言うようです。
主に扁桃腺に出来る膿栓のことと思われますが、おそらく歯垢も同じような性状ですので、これも一緒にしているのでしょう。
扁桃腺にはたくさんの凹凸があります。このくぼみに食物残滓や分泌物が溜まって、そこに扁桃に棲みついている細菌が繁殖して白い塊をつくることがあり、膿栓と言います。膿栓が扁桃腺からはずれて口から外に出たものを潰してみると臭い匂いがします。
よく膿栓ができる人とそうでない人がいます、この差は主に扁桃腺の形(窪みの形や大きさ)や細菌叢の違いによるものと思われます。
膿栓自体には病的な意味合いはあまりありません。症状としては、せいぜい嚥下する時に異物感を感じるくらいです。潰せばいやな匂いがしますが、膿栓が口の中にあるだけで、それが口臭の原因となることはまずありません。
膿栓が出来ること=扁桃腺での細菌活動が盛んというわけでもありません。細菌の活動が盛んになると、膿栓が多発し、扁桃腺自体が腫れたり、痛みが出たり、熱が出ることもあります。このような場合は慢性扁桃炎として考えるべきで、こうなれば何らかの治療が必要ですが、単に時々膿栓が口から出てくるだけであれば特に何もする必要はありません。
あまり、無理して除去することもお勧めできません。多くの場合はそのうち自然にはずれて出てきますし、扁桃腺に傷をつけることもありますので、尖ったものでつついたりはしないで下さい。
異物感が気になるようであれば、耳鼻咽喉科を受診して頂ければ、多くの場合は圧迫や吸引で除去できます。
におい玉について、いたずらに心配を煽るような情報も色々出ているようですが、膿栓ができることと、慢性扁桃炎を混同した誤りが多いように思います。

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